十二指腸病変

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こんな症状はありませんか?

  • 空腹時にみぞおちが痛む
  • 吐き気・嘔吐
  • 胸焼けがある
  • ゲップがよく出る
  • 食欲がない
  • お腹が張る・すぐにお腹いっぱいになる(腹部膨満感)
  • 黒い便が出る(下血) など

十二指腸病変について

十二指腸は胃から続く臓器である小腸の一部です。胃から送られてきた食べ物をさらに消化・分解する働きをしています。消化に関する酵素を多く取り込む性質上、胃と同様の疾患にかかりやすい臓器と言えます。

近年の胃カメラの技術の向上により、十二指腸の疾患は発見されやすくなりました。しかし十二指腸の異常は自覚症状が出にくく、さらに構造上見落としが多い部分でもあるため、「胃カメラ検査を受けたのに病気が進行している」というケースも少なくありません。

なかには十二指腸がんやそのリスクを上昇させる疾患もありますので、胃カメラ検査できちんと診断する必要があります。

主な十二指腸病変

十二指腸潰瘍

十二指腸の内壁に潰瘍(深い傷)が生じた状態が「十二指腸潰瘍」です。胃潰瘍と同じくピロリ菌への感染が主な原因となります。

十二指腸ポリープ

十二指腸病変

「十二指腸ポリープ」はほとんどは良性です。ブルンナー腺の過形成性ポリープが大半です(これは治療の必要はありません)。しかし、近年は腺腫や早期がんなど十二指腸の腫瘍性病変の頻度が増加しているといわれており、私も検査をしていて増加している実感があります。これらは乳頭部以外に発生した場合には次項にあるように非乳頭部十二指腸腫瘍(SNADET)と呼ばれ乳頭部にできた腫瘍と区別されています。

表層性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)

「表層性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET:スナデット)」は、良悪性を含めた十二指腸上皮性腫瘍の総称です。無症状で扁平な病変が多いため、発見が難しいとされています。また、十二指腸の奥は観察が難しいため診断には十分な経験が必要です。

十二指腸乳頭部腫瘍

胆汁や膵液の出口を十二指腸乳頭といいます。その部位にも腫瘍が発見されることがあります。他の腫瘍性病変と同様に小さいうちは良性ですが増大した場合には悪性化します。通常の内視鏡検査では乳頭部まで観察することはほとんどないのですが、当院ではほぼ全例で乳頭部の観察を行っています。腫瘍が疑われた場合には組織診断も行っているので多くの乳頭部腫瘍を診断しています。良性の段階での内視鏡下切除が勧められますが、膵液の出口であることから治療後の膵炎がほぼ必発です。そのため専門施設に入院しての治療になります。

消化管濾胞性リンパ腫

濾胞性リンパ腫は悪性のリンパ腫の一種で、十二指腸をはじめとした消化管の様々な部位で生じる可能性があります。比較的稀な疾患ですが、低悪性度の腫瘍ですが悪性度の高いびまん性大細胞型リンパ腫に移行することもあります。原則は治療せずに6-12か月ごとに経過観察を行います(稀ですが自然治癒もあります)。また、リンパ節や他臓器に病変が広がっていないかPET-CTなどの検査で評価する必要もあります。当院では現在多数の濾胞性リンパ腫患者様の経過観察を行っています。

十二指腸病変の的確な診断のために

十二指腸の病気(特に腫瘍)は比較的稀で、さらに自覚症状が現れにくいため、胃カメラ検査時に偶然発見されることも多いです。しかし十二指腸は胃カメラ検査で診る最奥部ということもあり、見落としが多い部分でもあります。上述の十二指腸病変は非乳頭部十二指腸腫瘍(SNADET)を筆頭に発見が難しい病変が多いのが特徴です適拡な診断には医師の技量が大きく問われます。

十二指腸ポリープの治療

前述のように十二指腸ポリープの多くは過形成など非腫瘍で治療は不要です。しかし表層性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)や乳頭部腫瘍などは腫瘍性病変(腺腫や早期がん)であり増大すると進行がんになるため切除が必要です。十二指腸は壁が薄いため原則入院治療になりますが、1㎝以下の病変であれば外来で切除することも可能です。そのため、平時より詳細な十二指腸観察によりサイズの小さい段階で発見できるよう注力しています。

胃カメラ検査で十二指腸の細部まで観察

滋賀県大津市のオクムラフォレストールクリニックでは、経験豊富な医師が胃カメラ検査を担当します。十二指腸の細部まできちんと観察し、ハイボリュームセンターで培った技術と経験を活かして的確に診断・治療いたします。

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