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日帰りで低侵襲な胃腫瘍・早期胃がん切除
将来がん化する可能性のあるポリープや初期段階の胃がんは、内視鏡を用いて切除することで治療可能です。しかし胃の粘膜は大腸と比べて厚みがあるため、従来の方法では病変部の根を残してしまうリスクがありました。
滋賀県大津市のオクムラフォレストールクリニックで行っている「ESD(Endoscopic Submucosal Dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)」は、特殊なナイフを使うことで一定範囲内の組織を一括で剥離・切除できる術式です。従来の方法の欠点を克服し、なおかつ低侵襲な手術が可能なため、高い治癒率と低負担を両立した術式と言えます。
従来の術式との違い
従来の術式である「EMR(Endoscopic Mucosal Resection:内視鏡的粘膜切除術)」は、特殊な高周波の流れるワイヤー(スネア)を使用して腫瘍を切除します。スネアの大きさの制約上、小さな病変しか一括切除できないため、取り残しが出てがんの再発を招く可能性が指摘されていました。
一方、ESDでは「ITナイフ」という特殊なナイフを用いて組織を切除します。がんの広がりの外側を確認しながら切っていくことで、一括で剥離・切除することが可能となり、より大きな病変でも高い精度で治療を行うことができます。
当クリニックの日帰りESDの特徴
独自の合併症対策で負担を軽減
当クリニックでは、超早期・早期の胃がんを対象に日帰りでのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を実施しています。胃は出血しやすい臓器であるため特に注意が必要なのですが、当クリニックでは特殊な保護剤を傷口に貼り付ける技術で出血リスクを最小限に抑えています。術後のケアも万全の体制で行っていますので、これまで出血や合併症などのトラブルが起きたことはありません。
日帰り・低侵襲な治療が可能
ESDは高度な技術を要する特殊な処置であるため、通常であれば1週間程度の入院が必要となります。術後も2日間の絶食が必要となるため身体的・時間的な制約が大きく、特に高齢者の場合は日常生活に戻るのに時間がかかるというデメリットがあります。
しかし日帰りの場合はこうした制約がないため、低侵襲な治療が可能となります。日帰りだからといって、入院治療よりも精度が劣るということもありません。
ESDの適応となる症例について
胃は出血しやすく、胃がんの発生部位によっても出血や合併症のリスクの程度が変わります。比較的簡単な切除が可能な大腸がんに比べると、胃がんの切除はとても難しいのです。基本的に当クリニックのESDは、超早期~早期の胃がんに対して実施しています。
ESDで外来治療が可能な胃がん
- 潰瘍潰瘍(かいよう)・瘢痕(はんこん)のない病変で2cm以下の高分化型がん
- 1㎝以下の未分化型がん
※上記の適応内の病変であっても胃癌の発生部位によっては入院での治療をお勧めする場合があります。
※上記以外の胃がんについては、患者様の安全を最優先に考えて、入院治療を推奨しています。その際は提携先医療機関へ迅速にご紹介いたします。
※他院で診断された胃癌の場合はまずはお電話でお尋ねください。
日帰りESDの注意点
手術後の出血・合併症を防ぐため、ESD後の生活は以下にご注意ください。
手術当日
- 入浴は控え、シャワー程度で済ませてください。
- 食事は摂れません。翌日に内視鏡検査で止血が確認できるまでは水分のみ(水・お茶)摂取となります。
術後3日間
- アルコールは厳禁です。
- 翌日の内視鏡検査後、食事は摂取可能となりますが重湯から一週間かけて普通食にアップしていきます。
- 腹圧のかかる動作や仕事、激しい運動は控えてください。(1週間は自宅療養をお勧めしています)
- 長時間の車の運転や飛行機での移動を控えてください。