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- 胃炎
こんな症状はありませんか?
- 胃・みぞおちが痛む
- 吐き気・嘔吐
- 胸焼けがある
- ゲップがよく出る
- 食欲がない
- お腹が張る・すぐにお腹いっぱいになる(腹部膨満感) など
胃炎とは?
胃炎は胃に生じた炎症の総称です。胃で分泌される胃酸は強い酸性を有していますが、胃の粘液層がバリアの働きをすることで消化から守られています。しかし何らかの理由で粘液層の機能が弱まると、胃液の消化力に組織が負けてしまい、粘膜がダメージを負って炎症を起こすのです。
胃炎は様々な原因で起こり、短期間で自然治癒するものから長期にわたって症状が続くものなど病態も多岐にわたります。特に長期化した胃炎は胃がんのリスクを上昇させることもあるため、胃炎を疑う症状が長引く場合には早めに消化器内科を受診することをお勧めします。
胃炎の種類と原因
胃炎には急性胃炎や慢性胃炎、自己免疫性胃炎、神経性胃炎(機能性ディスペプシア)など様々な種類があります。
急性胃炎
暴飲暴食や薬の副作用、ストレスなどが原因となる急性の胃炎です。適切な対処を行えば、症状は数日程度で軽快することが多いです。
- ●主な原因: 暴飲暴食、薬の副作用、不規則な生活習慣、ストレスなど
- ●がんのリスク:なし
慢性胃炎
主にピロリ菌感染が原因となる胃炎で、粘膜萎縮が進行するため慢性萎縮性胃炎とも呼ばれます。自然治癒することは稀で、ピロリ菌除菌を行わないと経年的に胃がんリスクが高くなります。
- ●主な原因: ピロリ菌感染
- ●がんのリスク:あり
自己免疫性胃炎
免疫系の異常による自己免疫機序(免疫が誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうこと)が原因で起こる胃炎です。ピロリ菌感染とは無関係ですが、これも萎縮性胃炎を誘発し、胃がんの原因となります。また、神経内分泌細胞腫瘍という腫瘍の合併も多いとされています。
- ●主な原因: 免疫系の異常
- ●がんのリスク:あり
神経性胃炎(機能性ディスペプシア)
過度のストレスや疲労などにより自律神経が乱れ、胃の運動機能異常や胃酸過多が起こることで生じる胃炎です。器質的な異常を伴わないことが多く、現在では「機能性ディスペプシア」として診断されます。
- ●主な原因: 胃の運動機能異常、胃酸過多など
- ●がんのリスク:なし
胃炎の的確な診断のために
胃炎には様々な種類がありますので、それらの確定診断のためには内視鏡検査(胃カメラ検査)が有効です。胃カメラ検査で胃粘膜の状態を確認し、炎症が見られる場合に胃炎と診断されます。
ただし、同じ胃炎でも種類によって適切な対処は異なります。病変の見落としや誤った治療で症状の進行や悪化を招くこともありますので、専門医による的確な診断が重要となります。
胃炎の治療
胃炎の治療は胃炎の種類に応じて適切なものを選択しますが、基本的には薬物療法となります。胃酸の分泌を抑制する薬、胃の粘膜を保護する薬をはじめ、漢方薬や抗不安薬などを症状に応じて使い分けます。
ピロリ菌感染が原因の場合は、除菌を行わない限り再発のリスクがありますので、除菌治療をお勧めします。
胃炎と内視鏡
胃炎の中には胃がんのリスク要因となるものもありますので、内視鏡検査(胃カメラ検査)で鑑別し、適切な治療を行う必要があります。特に自己免疫性胃炎は見逃されやすいうえ、ピロリ菌による萎縮性胃炎よりも胃がんの発生率が高いという報告もありますので、しっかりと見分けることが重要です。
滋賀県大津市のオクムラフォレストールクリニックは、40年近く内視鏡検査を行ってきた熟練の消化器内科医が検査を担当します。的確な診断と適切な治療を行わせていただきますので、胃炎の症状でお悩みの方や、健康診断で要精密検査と言われた方はお気軽にご相談ください。