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ピロリ菌とは?
「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」は胃粘膜に棲みつく細菌です。これによる感染症を「ピロリ菌感染症」と言い、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍の多くがこのピロリ菌感染によるものだと言われています。
ピロリ菌に感染しても自覚症状が現れないことも多いですが、成人では一度感染した菌が自然消滅することはほとんどないとされています。長期間の感染は慢性胃炎を引き起こし、さらに胃の萎縮を起こして胃がんのリスクを高めることになります(萎縮性胃炎)。ピロリ菌感染後の時間経過とともに萎縮性胃炎が広がり胃癌のリスクは高くなるため、的確な除去治療が必要です。
また、ピロリ菌感染の時間経過とともに除菌後に残る胃癌のリスクが高くなるといわれています。このため、若い年代(35歳まで)にピロリ菌検査を受けられることをお勧めします。
保険適用のピロリ菌検査
胃カメラ検査で胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎と診断された場合、ピロリ菌検査・除菌治療は保険適用で受けられます。ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍など様々な消化器疾患の原因となり、胃がんのリスクを高める要因にもなります。これらの疾患が疑われる症状がある場合は、胃がん予防のためにも早めの胃カメラ検査をお勧めします。
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌の主な感染経路は経口感染で、汚染された水や食べ物を乳幼児期に摂取することで起こります。現代の日本は下水道が普及しているため感染リスクは低く、近年では症例も減少傾向にあります。また感染者との食器の共有や、乳児への離乳食の口移しも感染を広げる原因となります。特に免疫力の弱い乳幼児期の感染が起こりやすいため、次世代への感染防止のためにもご家族のピロリ菌除菌の徹底をお勧めします。
ピロリ菌の検査
内視鏡を使用した検査
培養法
内視鏡で採取した胃粘膜の組織を培養し、その結果から感染の有無を判定します。
検鏡法
特殊な薬品に浸した組織を顕微鏡で観察して判定します。
迅速ウレアーゼ検査
ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を分泌します。胃粘膜から採取した組織を特殊な薬品と反応させ、ウレアーゼの有無を調べてピロリ菌感染の有無を判定します。
内視鏡を使用しない検査
便中抗原測定
検便を行い、便中のピロリ菌抗原を調べてピロリ菌感染の有無を判定します。
抗体測定
血液や尿からピロリ菌の抗体を調べてピロリ菌感染の有無を判定します。
尿素呼気試験
感染すると呼気中の二酸化炭素濃度が上昇するため、呼気中の成分を調べてピロリ菌感染の有無を判定します。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の除菌治療の基本は、内服薬を用いた薬物療法です。数種類の内服薬の服用を一定期間続け、体内から菌を排除します。
治療の流れ
「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」、計3種類の薬を1日2回(朝と夕)、7日間飲み続けていただきます。その後、2ヶ月ほど期間を空けて再検査を行い、除菌の成果を確認します。ここまでの流れを「一次除菌」と言います。ほとんどの方が一次除菌で除菌に成功しますが、不十分な場合は薬の組み合わせを変えて再度服薬を行います(二次除菌)。通常は2次除菌まで行えば全体の約98%の方は除菌に成功します。稀ですが2次除菌でもピロリ菌が消えない場合は3次除菌を行うことがあります。3次除菌は保険適応がないため自費診療となりますのでその時点で詳しく説明いたします。
※2回目以降の除菌は保険適用外(自費)となります
治療後は必ず判定検査を受けてください
完全な除菌治療を行う必要がありますがピロリ菌除菌の判定は、意外にも難しいため複数の検査で行う必要があります。内服治療が終わった後は、必ず当院が指定する方法で除菌判定検査を受けて除菌の完了を確認してください。