- HOME>
- 過敏性腸症候群
こんな症状はありませんか?
- 通勤・通学中や会議、試験の最中など、決まったタイミングで腹痛が起こる
- 激しい便意に襲われる
- 腹痛は排便で一時的に治ることが多い
- 下痢と便秘が繰り返し起きる
- 抗うつ感・不安感・集中力の低下などがある など
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や下痢・便秘などの便通異常が慢性的に続く状態です。特定の状況下で症状が悪化することが多く、通勤・通学時、職場や学校でストレスを感じた際などに激しい症状が現れることがあります。明確な症状がありながら消化管や臓器に異常が見られないのが過敏性腸症候群の特徴で、特に若い世代でよく見られる傾向にあります。
過敏性腸症候群自体は命に関わるような疾患ではありませんが、日常生活に影響を与え、QOL(生活の質)を低下させる要因となります。大切なビジネスシーンや学校生活に悪影響を及ぼしかねませんので、腹部症状がある時には我慢せずに当クリニックへご相談ください。
ストレスや疲労などが原因の可能性あり
消化管や臓器の器質的な異常が見られないのが過敏性腸症候群の特徴ですので、はっきりとした原因は分かっていません。腸の運動機能は自律神経がコントロールしているため、ストレスや疲労などによって自律神経が乱れることで症状が起こると考えられています。
また、脂肪分・炭水化物の多い食事や食物アレルギーなども症状を誘発する要因になるとの指摘もあります。
的確な過敏性腸症候群の診断のために
過敏性腸症候群の診断のためには、大腸カメラ検査、血液検査、超音波検査などの各種検査を行って他の疾患の可能性を否定する必要があります。これらすべてで器質的な異常が認められない場合に初めて過敏性腸症候群と診断されます。
しかし他の疾患を見落としたまま過敏性腸症候群と診断してしまうと、適切な治療に繋がらないこともあります。がんや大腸の炎症性疾患などの重篤な疾患を進行させてしまうことになりますので、過敏性腸症候群の治療を受けても症状が一向に改善しない場合には注意が必要です。
小腸内細菌異常増殖症(SIBO)について
過敏性腸症候群と間違われやすい疾患の1つとして「小腸内細菌異常増殖症(SIBO)」があります。小腸内細菌異常増殖症は、本来ほとんど無菌状態である小腸内に何らかの理由で細菌が異常増殖する疾患です。本来小腸で吸収する栄養素を増殖した細菌が奪ってガスを発生させることで、過敏性腸症候群に似た症状を引き起こすのが特徴です。
細菌による症状なので内視鏡での見分けが困難であり、比較的新しい概念であることも相まって、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシア(FD)として診断されているケースも見られます。
過敏性腸症候群の治療
自律神経の乱れが影響する性質上、抗うつ感・不安感・集中力の低下などの精神症状が現れることもありますので、その場合は抗うつ剤、抗不安薬などを使用することもあります。
生活習慣の改善(一例)
- 暴飲暴食を避ける
- こまめに水分補給をする
- 規則正しい生活を送る
- 十分な睡眠・休養をとる
- バランスの良い食事(特に食物繊維や乳酸菌をしっかりとる)
- 適度な運動を行う
- 排便習慣を整える
- 過度な飲酒や刺激物の過剰摂取を控える など
腸活が逆効果になることも
乳製品や野菜、発酵食品などで腸活を行っても症状が改善しないもしくは悪化することもあります。これはこのような腸に良いとされる食材が小腸で分解・吸収されにくい糖類(短鎖炭水化物*)を含んでいることが多いからです。吸収分解されないため細菌、特に悪玉菌の恰好の栄養分となります。また整腸剤にも短鎖炭水化物である乳糖を含んだものがあり内服薬による治療がかえって症状を悪化させてしまうこともあります。当院では低短鎖炭水化物の食材などを指導し適切な服薬治療を行って参ります。
短鎖炭水化物はFODMAPと呼ばれます(短鎖炭水化物である、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharides(単糖類)、Polyols(ポリオール)の頭文字から付けられたもの)。
滋賀県大津市のオクムラフォレストールクリニックでは、的確な検査できちんと疾患を鑑別して治療に繋げますので、なかなか症状が改善しない過敏性腸症候群でお悩みの方はお気軽にご相談ください。